夏祭の1日

早朝6時に夏祭の始まりを知らせる煙火があがります。

神社では神事花を須佐地区2つの集落が当番として立て始めます。

高さ5メートル、重さ数十kもある、2本の宮花が奉納されます。

宮花は大きな傘仕立てで、その頂きには「奉仰神霊降臨」と書かれた赤いのぼりを差し、その下に15本の芯花が差してあります。

上段240cmの竹ひご28本、下段330cmの竹ひご35本に、約700個の桜の花がつけてあります。

短冊をつけ、三方の控え綱で固定されています。

竹ひごの先は本番まで糸で繋げてあるため、大きな、天に向かう宮花は傘の形で保たれ、風に吹かれる短冊がきらきらと輝き、念佛踊りが始まる時を待ちます。

地元ではお茶席を設け、抹茶に神絞菓子を添え、遠方からの参拝の方々をお迎えします。

春祭とこの夏祭に行うお茶席、参拝する方々との交流は、回を重ねるごとに深くなってゆきます。

「ようこそお参りいただきました、お茶はいかがですか」

「又お逢い出来ましたね、毎年来させてもらっていますよ」

また、祭の説明を求められたりしますので会話がはずみます。

誰しも念佛踊りを待つ一時です。


11時 煙火があがり、「切明神事」が拝殿で行われます。


15時 煙火の合図で念佛踊りが始まります。

舞手は御祓いを受け、隋神門から歩き出し、宮花の下で踊り始めます。

少し前に境内に水をまかれたのは、舞手が裸足であり、暑いからでしょうが、裸足は宮花から降臨する神霊を受けるためであろう、と言われています。

歌舞伎の祖・出雲阿国(出雲大社の巫女であった)もこれを見て、京に上り、念佛踊りを踊ったと言われています。

念佛と囃しが段々早くなり、少しずつ脇に移動し始めると、いよいよ地元宮花の担ぎ手が登場、3~4人で2本の宮花を交互に揺らし、回していきます。

やがて倒された宮花は競って芯花を取ろうと、見物客が一斉に飛び込んでゆきます。

家に持ち帰り、神佛の宿った花は、虫よけのお守り札として、田畑に立てておきます。

昔から、この花を手にすると、大人も子供も同じ顔になるのが不思議です。

昔から地元では「かんかんどーや」と言って、毎年当たり前のように続けられていますが、神仏習合の貴重な遺産だと思います。


19時 地元主催の祭、風祭の始まり

須佐地域住民が、上手・下手に分かれ、念佛踊りの寄せ鉦に合わせ、提灯と笹に付けた願い事を書いた短冊を持ち、練り歩きます。そして神社に集まり、拝殿で御祓いを受けます。鉦の音が山々にこだまして、風情のある行列です。


20時 夜祭

地元の夏祭は盆踊りから始まり、演芸と続きます。

最後はおろちくじ抽選会があり、10時頃終わります。


神事と祭、8月15日の須佐神社は、地元住民にとって、特別な場、特別な日です。


参考文献『須佐大宮 念佛踊り』(須佐大宮念佛踊り保存会発行)より

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